オープニング



潮風の香りに乗って、浦島の村に朝が来ました。


浦島の村の人たちは、みんな働き者なので早起きです。

浦島も漁に出ようと身じたくをしていると……


天の仙人が困り果てた様子で訪ねてきたのです。

天の仙人
「ウヒャヒャ… 浦島、今日はちと頼みがあってのォ。
近頃、タヌキ大王が村人たちに悪さばかりしておってな
いつもはもっと茶目っ気があったはずなんじゃが、近頃の悪さは目に余るのじゃ。
どうじゃ?
浦島。謎解き山のタヌキ大王をこらしめに行ってくれまいか?」

浦島
はい いいえ」

天の仙人
「はてさて、浦島は情けの薄い男じゃったか?
どうじゃ?
浦島。謎解き山のタヌキ大王をこらしめに行ってくれまいか?」

浦島
はい いいえ」

天の仙人
「ウヒャヒャ… やはり浦島は優しい男ぢゃ

ところで、もうひとつ頼みがあっての。

このタヌキなんぢゃが、かむろダヌキといってタヌキ大王の息子なのぢゃ

村人に悪さしてたのを捕まえたんぢゃが、ちっとも言う事聞かん
かと言って放っておくと、またどんな悪さをしでかすやもしれん

かむろダヌキを連れて行って、タヌキ大王共々こらしめて欲しいのぢゃ

頼んだぞ 心優しき浦島よ ウヒャヒャ…


こうして、浦島のタヌキ大王をこらしめる旅は始まったのでした